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なぜ安倍政権は憲法改正を急ぐのか(上)

なぜ安倍政権は憲法改正を急ぐのか(上) 2007/04/15

「大学人九条の会沖縄結成1周年記念 新保守主義の動向と沖縄-憲法九条をまもるために-」シンポジウムでの渡辺治一橋大学社会学部教授による基調講演は、記者クラブで政府から頂戴した情報を横流しするだけの発表ジャーナリズムでは掴めない話だった。



7日(土)那覇市教育福祉会館で「大学人九条の会沖縄結成1周年記念 新保守主義の動向と沖縄 -憲法九条をまもるために-」と題されたンポジウムが行われた。渡辺治一橋大学社会学部教授による基調講演「安倍新保守政権の成立と改憲の新段階」は、安倍政権が憲法改正を急ぐ真の理由を極めて分かりやすく概説してくれた。それは記者クラブで政府から頂戴した情報を横流しするだけのメジャーメディアに受動的に接しているだけでは掴めない話だった。以下2時間にわたる講演の要約を2回にわたりお伝えしたい。

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安倍政権の「画期的」性格を分析する渡辺治一橋大学社会学部教授。

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安倍総理来沖を伝える街頭看板(那覇市内)

(渡辺氏)――これまで鳩山一郎以来52年間に21人の総理大臣が登場しました。この間に誰一人として自分の任期中に憲法改正を謳って政権についた政冶家はいません。でも21人の総理大臣が憲法を素晴らしいと思っていたかといえばそうではない。憲法改正したいのは山々なんだけれども、改正するといってしまったら、「日本の政治が戦前のような戦争をする国に戻ってしまうのではないか?」という国民の警戒心を掻き立てる恐れがある。そういうことになると自民党の保守政権が安定しないから、仕方がないので自分の任期中は憲法改正をしないで政情を安定させようと考えた結果です。

 ということは52年間の慣行を安倍さんは破ったことになる。どうして安倍さんは慣行を破ったか?21人の総理大臣に比べて特段にタカ派的なイデオロギーを持っていたかというと、私は必ずしもそうではないと思います。岸信介さん、中曽根康弘さんのように安倍さんに劣らずタカ派の人はたくさんいました。

 ということは安倍さんがタカ派だから憲法改正をするのではない。ではなんでなのか?結論的にいうと、少々国民の警戒感を高めることがあっても、リスクを犯してでも、憲法(9条)改正を今しないとニッチモサッチモいかないことになるという心配が保守の支配層にあり、安倍さんに非常に強い圧力がかけられているからです。ではどうして憲法改正しなければならないと支配層は考えたのか?

 そもそも憲法改正の動きは1990年代に始まった。冷戦終了後、世界の経済の土台、市場は大きく変わった。中国、ソ連、東欧圏が崩壊して資本主義的な経済発展をするようになった。その結果何が起こったかと言うとアメリカの企業や日本の企業が世界で活躍できる、10億人の市場から40億、50億の市場世界に一気に変わる、経済のグローバル化が発生した。

 中でも世界経済成長の機動力になった中国を、日米は集中的な投資先とした。そこから2つの問題が浮上する。1つは、日米企業の安全と特権を守るのは誰か?「ならず者国家」から守る役割を誰がするのかという問題。アメリカは青年の血を流して世界の安全と大企業の特権を守っている。憲法9条のある日本はアメリカの軍事的なプレゼンスのお陰で一人勝手に経済発展をしてアメリカを脅かそうとしている。「そんなことはとんでもない!軍事分担するために憲法9条を改定しろ」という声・圧力が90年代に入ってアメリカの中で非常に強く起こった。

 日本企業の海外進出の比重は欧米と比べてある特徴がある。その範囲が中国、韓国、香港、台湾、東南アジアに集中しているということ。それはなんといっても労働者の賃金が安いから。日本企業が今一番集中的に展開している福建省の平均賃金は日本人の平均賃金の32分の1だ。世界に企業進出した日本の財界からも、安全を得るために「憲法9条を改定して日本の軍事大国化を」というもう1つの圧力として出てきた。

 つまり経済のグローバル化は皮肉なことに、日本の憲法9条を改定し軍事大国化をし、アメリカと共に世界の警察官として世界の自由市場秩序を守っていかなければならないという結果を引き起こしたのだ。

 そしてもう一つ、グローバル化が齎したものが構造改革である。

(渡辺氏)――グローバルな競争、世界の企業が日本に乗り込んでくる、日本の企業が世界に乗り込んでいくということになりますと、世界の各地で競争が始まります。それにはリストラを断行し、法人税を安くしなければ競争に勝てない。法人税を下げるためには全体の福祉予算、社会保障費を切り捨てなければならない。その中でも医療、一番お金がかかっている高齢者医療をぶった切ることになる。それに加えて消費税を上げる。それが構造改革です。

(渡辺氏)――小泉政権の構造改革で重要な点は、単に乱暴に福祉を切り捨てて税金を軽くするだけではなくて、社会保障、公教育、介護、福祉、こういう問題の切捨てを地方自治体に委ねる、三位一体の改革により地方に構造改革の責任を押しつける体制です。その責任は地方自治体にいくわけです。

 2003年の奥田レポートで「東アジア自由経済圏」という言葉がでてきた。EUと同じように東アジアの自由経済圏をつくって日本と中国がリーダーシップをとるというのがその内容だが、中国との関係が悪い現状では、日本の軍事大国化と東アジア経済圏のリーダーシップなどできない。そこから中国と覇を競い東アジアのリーダーシップをとるという発想が財界から出てきた。これが小泉政権の後安倍政権に残された課題に他ならない。

◇ ◇ ◇

 中国の温家宝首相が11日来日した。安倍首相との首脳会談では貿易・投資・金融などの経済分野を協議する「ハイレベル経済対話」の創設が合意された。国家間のパワーバランスの背後にトランスナショナルな経済の要請があることを見落とさないようにしたい。

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日中首脳会談を伝えるマスコミ報道(沖縄タイムス4月12日付)

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