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書評 「沖縄問題」とは何か

書評 「沖縄問題」とは何か

沖縄問題

藤原書店編集部編
四六上製 280ページ
刊行日: 2011/2
定価: 2,940円

《「沖縄問題」は、「日米問題」である前に「日本の国内問題」であり、しかもこれは、結局のところ「本土による沖縄差別という問題」と言い得るのではないか》という問題意識から生まれた本書は29の論考からなる。その中から特に秀逸である2つの論考について述べたい。

真喜志好一著《「新・沖縄密約」を情報公開せよ ――普天間は「移設」ではなく「閉鎖」を――》では、在沖米軍普天間飛行場を辺野古新基地建設へ「移設」させたい思惑の正体を、地道な市民運動の蓄積と私立探偵がパズルをひとつひとつ解くような明快さで暴くことに成功している。真喜志が暴くのは、垂直離着陸機MV-22オスプレイ配備に関して、前自公政権時代から現政権に至るまで外務、防衛官僚が隠してきた事実、それと対称的に米軍はオスプレイが住宅地上空を飛ぶことを正直に提示しているその事実から判明する日本の官僚の姑息さである。その謎解きはOAMの動画配信にも出演した同内容のものがあるのでぜひご覧いただきたい。

オスプレイ配備 脅威の背景
だからよ、真喜志親方に聞いてみるべき


そのなかでも真喜志が繰り返し指摘していることは、「普天間問題」の原点である。沖縄の要求は、そもそも「危険な普天間は閉鎖せよ、沖縄戦で米軍が勝手に作った普天間飛行場は住民に返せ」という要求に他ならない。現在の普天間飛行場は、沖縄戦に勝利した米軍が1945年にブルドーザーで整地して作ったものだ。戻ってきた住民は仕方なく金網の周囲に住まわざるを得なかったというのが事実である。

《普天間返還要求を、普天間「移設」に政治家がすり替え、マスコミも「移設」という言葉をつかう。移設先を決めなければ、普天間の閉鎖ができない、という解けない方程式にしている》という真喜志の指摘こそ、「普天間問題」のたったそれだけの真実である。「学べば学ぶ」ような複雑な話ではまったくない。

佐藤学著《普天間・辺野古は安保に必須ではない ――「抑止力」を支えるのは嘉手納――》では、前自公政権から変わらぬ政府の「財政支援=基地との交換」というすり替えがまずは指摘され、次に海兵隊の「抑止力」論はそもそも軍事的理由からして破綻していることが見破られ、最後に財政事情が逼迫している米国にとって、国外基地特に海兵隊の必要性は低いという事実が実はあり、米国に盲従して基地を差し出す日本政府・社会の誤り続ける選択に警鐘を鳴らしている。

その中でも「基地がなければ食っていけない」という間違った「常識」を突き崩す立論には目からウロコである。佐藤によれば、日本には元々、地域間の財政力の違いが公的サービスの給付水準に大きな格差をもたらすことを防ぐ地方交付税制度があるのだから、《沖縄に基地があろうとなかろうと、日本国の一部である以上、財政移転を得る正当な憲法上の権利が存在する》。つまり「食っていけない」ことはないのだ。

その認識を基本としつつ、27年間の米軍統治下で生じた本土との格差を埋める沖縄振興開発体制が、90年代以降基地受け入れとの交換条件にすり替えられてしまった、いや、日本政府が意図的にすり替えたことを区別してみる必要があることを佐藤の論文は告げている。この区別の仕方は、日本全体はもちろんのこと、沖縄内でも必要であろう。OAMの動画配信も併せてご覧いただきたい。

ザ・佐藤学スペシャル

(西脇尚人)

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