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この世界のありえない外側を考えること

「ナマ(今)とぅびぃん! オルタナ・クール」第10回

照屋勇賢

ゲスト:照屋勇賢さん(アーティスト)


録画:この世界のありえない外側を考えること 1-2
録画:この世界のありえない外側を考えること 2-2

沖縄県立博物館・美術館館長に公明党県本部顧問の白保台一氏が選ばれ波紋を呼んでいることについて。今回の人事には賛成できないが、たんにそのことを批判するのみでなく、美術館が街にあることの役割を改めて議論するよい機会なのではないか。美術館関係者が声を挙げて29日に開催する予定の集いには、県の関係者、美術館の関係者にも参加してほしい。

美術館はたんに絵画を飾るショールームではなく、外の複雑な事象を赤とか青とか単純化して現すことによって、気持ちを整理する場になるかもしれないし、見る人を政治や宗教などから守る空間にもなりうる。公的空間として個人の表現の自由をどこまで伸ばせるのかが問われている。

今回沖縄に来る前に約1ヶ月群馬県前橋市にアーティスト・イン・レジデンスで滞在していた。たまたま3月11日当日は沖縄に戻っていたが、東日本大震災を経験した。沖縄から群馬へ戻るときに沖縄のアーティストがいったことは「きちんと逃げる姿を見せて来い」という言葉だった。残って仕事をしなければならないというプレッシャーにさらされている市の職員もいるなかで、やはり自分を守るということは大切だ。

沖縄にいる時のほうが被災地からなるべく離れるべきだという海外からの情報などがよく入ってきた。ところが前橋に戻ると、拍子抜けするような変わらない日常がある。現地ではいろいろな関係性があり、「逃げる」という言葉を使うことに、自分勝手に聞こえるかもしれないこともあり、とても体力を要した。

9・11のときニューヨークにいたが、惨劇を前にしアーティストとして何もできず落ち込んだ。その経験もあったので、今回は冷静に事態をみることができた。

さっそく作った試作品は、被災地の状況を大きな写真と共に生々しく伝える群馬地元紙の一面に、切り込みをいれ立ち上げて芽が生まれ上に上ろうとしているイメージ。ぼくたちの感情とは関係なく破壊のイメージに誕生が重ねられる。

前橋のアーティストの中から被災地で創作したいという声が挙がった。義捐金を現地に送るよりも、その活動を支援するために使うのもよいのではないかということで、今回の試作品も地元のコレクターに買ってもらった。沖縄でもアートセンターというところが、アーティスト・ヘルプ・アーティストということで、被災地のアーティストに支援金を送る活動がある。

地震の後、高崎で群馬交響楽団の演奏を聴く機会があった。バッハの「G線上のアリア」の演奏後、拍手の代わりに1分間の黙祷を捧げた。そこに集まった様々な個人が共有する豊かな経験となった。自粛するのではなく、表現することの自由と解放を優先すべきではないか。

OAMサイトで連載中の「基地の無い沖縄をイメージするワークショップのためのメモ」でも触れている作品。「来るべき世界」は2004年沖国大米軍ヘリ墜落事件から生まれた。沖縄の人々がシャットアウトされた現場で、米軍の注文によるデリバリーピザだけは中に入ることができた。写生大会を企画し、105人の参加者にそのピザの箱の内側に、自分たちがみた現場の絵を書いてもらい、それらを一面に敷き詰めた。

絵を描いて残すという教育を子どもたちにしているのだろうかという疑問があったことと、選ばれた作家だけが飾られるのではなく、個人の存在として書いた絵が公的な美術館に飾られる、美術館とはそのような場所であるということを伝えたかった。参加した子どもたちが大人になったときに、「自分たちの描いた絵が美術館に展示されたのだ」と振り返ることの意義は大きい。

9・11米国同時多発テロの時にニューヨークの街は、星条旗で埋め尽くされた。国旗はバラバラだった国民を一つにまとめると同時に、そこに含まれない他者を排除する。「Color the World」は、世界169カ国の国旗を地理通りに配置し、一つの旗として表現した。色が渡り歩くように、国同士が理解し合い仲良くなる関係が生まれるのではないか。一つの旗の上でお互いが可視化されることによって、不安が消えるのではないか。

嘉手納基地のフェンスを挟んで自転車レースをするという企画を今立てている。ある地点で両者が交差し、力関係が無意味となる、競争が競演になる瞬間が造れないだろうか。

(文責・西脇尚人)

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