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書評『沖縄 おんな紀行 光と影』

書評『沖縄 おんな紀行 光と影』

沖縄おjんな紀行

もろさわ ようこ著
税込価格: \2,310 (本体 : \2,200)
出版 : 影書房
サイズ : 20cm / 259p
発行年月 : 2010.12

《「沖縄」と書かれた文字が眼に入るとき、私の視線はそこへよりそって立ち止まる。
「沖縄」という言葉が耳に入るとき、私の聴覚は聞き耳をたて、視線もおのずとそこへ重なってゆく。
「沖縄」がかくも想い熱く私の中に存在するようになったのは、私のありようを方向づける、「愛」と「平和」の発信基地が沖縄だからだろう。》(本書p209)

私が著者もろさわようこの名をはじめて眼にしたのは「現代の差別と偏見」(信濃毎日新聞社編、1969年、新泉社)という本で、著者は女性史研究家として第3章「性別」を執筆、因みに第2章「沖縄」は大田昌秀氏が書いていた。以降この共著が私の座右の書となった。

長野県信濃で生まれ育った著者がはじめて沖縄の地を踏んだのは、まさに沖縄が「アメリカ世」から「ヤマト世」に変わろうとする1972年の夏、著者が47歳の時だった。

本土復帰した直後の沖縄を著者が訪れたのには理由がある。
すでに本土で失われてしまったかずかずの女性習俗をいまなお残している沖縄は、女性史の宝庫であるとともに、本土にある限りの婦人問題もまた凝縮したかたちで見られる先端的なところであったからだ。

著者は沖縄の辺境の地に生き生きと暮らす女性たちの姿を活写しながら、おそらく軍国日本、いや封建制度以前の日本のおんなたちはこうでなかったかと夢想する。

しかし30数年を経たいま、はじめて沖縄を訪れたとき見た那覇の市場の活力に満ちていた中世の女たちや久高島で見た原始共同体時代の女たちのおもかげはない。沖縄は大きく変貌した。近代日本、そして復帰以後の沖縄の変わり様を追いながら、著者は考える。女性だけでなく、人々がのびやかに生きられなくなったのはどうしてかと。

戦後日本が追い求めた経済成長は、日本の国土を戦争のとき以上に荒廃させ、人々を流民化させてしまった。そして沖縄もまた容赦なく侵食する自由を手に入れたのが“復帰”のなかみではなかったかと。

本書には著者がこれまでに書きしるした沖縄に関わる論考やエッセイがまとめて収録されている。その中の多くはすでに絶版になっており、ぜひこの機会に多くの人たちに読んでほしい。 
(山内 道美 2011/4/16)    

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