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子育て中の母さん解放 那覇「まんまん屋ぁ~」

子育て中の母さん解放 那覇「まんまん屋ぁ~」 2007/01/15

知人が運営する「茶話空間“まんまん屋ぁ~”」(那覇市首里)の建物「てぃ~だの家」が取り壊しになるため移転先を探しているという噂を耳にしたのは昨年夏のことだった。以降仲間たちの応援もありつつじっくりと場所を探していたようだが、ようやく新しい「てぃ~だの家」が決まり、昨年暮プレ・オープン、そして新年と共に本格的にリニューアル・オープンを果たした。暖かい陽気に誘われるまま、緑が残る首里の丘へ遊びに行ってみた。

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開放的な空間でお母さんたちのゆんたく(おしゃべり)もはずむ。

 「まんまん屋ぁ~」を運営するのは張本文昭さん・三香さんご夫婦。それぞれが大学の体育の非常勤講師を務める傍ら、沖縄の自然を通した遊びを実践するNPO「てぃ~だキッズネイチャークラブ」を主宰するなど旺盛な活動をこれまで続けてきた。その活動拠点として利用した「旧てぃ~だの家」には「まんまん屋ぁ~」の他にも「しぜんの雑貨とおもちゃの店 星のかけら」、沖縄の自然と文化を通した教育を研究、実践する「NPO法人うてぃーらみや」が場所を共有している。

 「まんまん屋ぁ~」を始めるきっかけは出産後三香さんを襲った「密室育児の限界」にある。「生後間もない幼い我が子と、アパートの密室に籠もりっきりの時間。それはとても穏やかで幸せな時間とは言い難かった。我が子と夫以外1日誰とも話さない日があると、社会から取り残された気さえする。どうして子育てってこんなに孤独なのだろう?もっと他者と関わり合って、解放的な空間で、育児書なんかに頼らずゆったりと子育てできないものだろうか?」

 さらに湧き上がる思いを三香さんは言葉にした。「親子一緒に気兼ねなく集える場所がほしい。子どもの遊び友達がほしい。ちっちゃな子どもでもお外でのびのび遊ばせたい。ママ自身の話し相手がほしい。子育ての知恵や地域の情報がほしい。親だけでなく、多くの眼差しの中で子育てしたい。赤ちゃん連れで気軽に食事できる場所がほしい。心身ともにリフレッシュしたい……」

 三香さんさんのそんな訴えに文昭さんのカフェをやってみたいという願望を加えアイデアが練り上げられた。さらに関係者や身近な先輩ママたちに声をかけ、乳幼児とその母親のための新しい子育てコミュニティ作りを提案し、その具体的な場所として2004年9月にオープンしたのが「まんまん屋ぁ~」だ。以来昨年7月の活動停止まで口コミやインターネットでの情報発信が功を奏し、1日平均10~20組の利用者が訪れた。その多くは乳幼児とそのお母さんだが、主旨を理解した人であればそれ以外でも歓迎だという。

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畳間のベビちゃんルームには、なんと4組の双子ちゃんママたちが!

 5歳と2歳のお子さんを持つ鏑木亜樹さん(那覇市在住)は多いときで毎回のように利用することもあるという。「なんにもしなくていいのが魅力(笑)。子供は自由に遊んでいるし、お母さん同士で何かしら共通の話題があるので入り易い。かといってほったらかしのままなわけではなく、お互いの子供の面倒もみるし注意するときはしますよ。それに加えて緑が多い周辺の環境が素晴らしい。さらに安心して食べられる飲食メニューがあるのも大きい。他の託児サービスなどにはないサービスですから」とリラックスした表情で語った。

 「娘が色々な人たちと関われるということは大きい。利用者の皆さんがゆっくり過ごしているのが手に取るように分かる。子供を話の種に知り合いになれる、お母さんの交流の場なんですね。なによりプログラムがないところが気楽でいいんでしょう」と、これまでの感触を語る文昭さん。

 託児所、保育園、公民館などの公共施設、子育てのために利用できる場所は色々とある。「どうしてそれらを利用せずにわざわざ新たに場所を作るのか?」そう尋ねられることもあるという。それらが管理型であるのに対し、「まんまん屋ぁ~」は開放型だ。前者がプログラムで押し込めるのに対して後者はプログラムを極力廃する。前者が上からの視線であるのに対し、後者はあくまで当事者の視線から発想する。「行政に働きかけ、こちらの意思を伝えるのは壁が厚い。主婦やお母さんの力でそれをするには限界がある。それよりも自分たちで立ち上げたほうが早い」と語る三香さん。

 新たにコミュニティ・カフェとして復活した「まんまん屋ぁ~」と共に、今回沖縄の子育て情報活動をしている「うぃず」のオフィスとショップも加わり、親と子の集いの空間として更にバージョンアップした。ボランティアのキッチンスタッフ3名他、仲間たちの協力、支援は以前にも増した。

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文昭さんが子供たちと遊んでいる間、三香さんとスタッフは厨房でお仕事。

 「まんまん屋ぁ~」が誕生する背景には社会の歪みが窺える。公共サービスの限界、核家族化に伴う子育ての閉塞化、地縁・血縁に基づいた人間関係の崩壊……。利用者の多くは子供を保育園に預けていない専業主婦が多いという。「沖縄では夫婦共働きが多いので、自分の住む地域で話が出来るお母さんに出会う機会が少ない」という声を今回の取材でも耳にした。彼女たちは家で子供が寝静まった頃合を見計らい、インターネットに接続する。「うぃず」などで情報を得、共通する悩みを抱えるお母さんたちと出会い、情報交換する。さらに「まんまん屋ぁ~」のような「リアルショップ」があれば多少の距離でもそこに赴き、自身を解放する。

 「子供を連れたままお母さん同士が楽しめる」という課題に基づいたコミュニティ・カフェの「まんまん屋ぁ~」のさらなる課題とは、リアルショップの空間を生かした新たなヴァーチャル&リアル・コミュニティの創造にあるのかもしれない。むろんそれはスローに醸成されていくものだろうが大いに期待したいところだ。それを実現したコミュニティ・カフェの存在を私はまだ知らないので。

関連サイト:
まんまん屋ぁ~
子育ち親育ち“てぃ~だの家”の仲間たち...
沖縄子育て情報サイト うぃず

(西脇尚人)

     ◇

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