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沖縄県知事選:糸数氏の敗因を探る

沖縄県知事選:糸数氏の敗因を探る 2006/11/22

11月19日、日曜日。沖縄県知事選挙の投票日だ。ここ数日同様、この日の朝も曇り空だった。午前10時過ぎ、投票会場の地元小学校へ向かい投票を済ませる。

 立候補しているのは新人3人で、無所属で前参院議員の糸数慶子候補(59歳)。社民、社大、共産、民主、自由連合、新党日本、国民新党推薦、そうぞう支持。諸派で会社経営の屋良朝助候補(54歳)。無所属で前県商工会議所連合会長の仲井真弘多候補(67歳)。自民、公明推薦。

 私は基地撤去を訴える糸数慶子さんに1票を投じた。廊下の壁に貼られた投票率の速報ではまだ10%未満だった。はっきりしない天気は雨が降ることも予想される。投票率にいい影響を与えるのかそうでないのか微妙なところだ。

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選挙会場に貼られた「Let's VOTE ヤング投票率アップ大作戦!」。沖縄県
明るい選挙推進青年会が企画し、若者をターゲットに投票を呼びかけるなど
工夫もなされた


 家に帰る途中で日頃お世話になっている近所のおばちゃんに声をかけられる。この方は引越してきた当初からヨソモノの私に積極的に声をかけてくれ、唯一近所づきあいをさせていただいている、私にとっては沖縄の母のような存在だ。

 「行ってきたー?」
 「はい、投票してきました」
 「わたしはいつも7時前に行って門が開くのを待っているの。今朝もそうしたさ。西脇さん、いろいろと運動たいへんだったでしょ?」おばちゃんは私が糸数慶子を支持していることを知っている。先日「知り合いから廻ってきた」といって仲井真候補の選挙カードを渡されそうになった時に自分は糸数支持であることを伝え断っていたからだ。

 「いや、具体的な選挙活動はしていませんよ。間接的な応援は多少しているけど」
 「そうねー」
 自分の支持者については特に語らないおばちゃんは、かつて政府系の職場で働く公務員だったということを聞いたことがある。自公側へ投票したのかもしれない。

 「そっちは公明党だから運動で大変みたいよ」と近所の飲食店を指す。なるほど、実際近所に自公体制の票田部隊がいるということを初めて耳にすると、今更ながらその脅威を実感する。おばちゃんとはそれから2、3他愛のないことでゆんたく(おしゃべり)して別れる。

 夜10時過ぎ。知人と会食後のコーヒーを新都心のカフェで飲んでいる私の携帯に、パートナーからメールが届く。「仲井真が当選でちゃったよ……」結果が分かり始めるのは11時過ぎと聞いていた私は不意打ちをかけられた。家への帰路、開発によりかつての米軍施設から那覇市の中心都市に「発展」しつつあるその無機的な街を呆然と歩いた。

 仲井真候補34万7303票、3万7318票の差をつけられ糸数候補は敗れた。地域別で見ると革新系基盤といわれる基地所在地市町村、大票田那覇市での惨敗がいたい。投票率は64・54%で、前回の57・22%を7・32ポイント上回った。

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仲井真氏の勝利を伝える県内テレビ

 「『勝っても負けても終わった後に総括しましょう』といったのに、負けて終わったら総括などまったくしなかった」と県知事選にかつて立候補した経験のある方に以前聞いたことがある。選挙運動など疎い私なりに有権者の1人として支持していた糸数候補側の敗因を挙げてみよう。いうまでもないがこれはまったく個人的な主観に基づく。

・(仲井真候補側にもいえることだが)選挙運動に「腰を上げる」時期が致命的に遅過ぎたこと。
・さらに選考過程で革新側各政党間のもたつき迷走があったこと。
・「基地のない平和な島」の訴えが浮動票を動かさなかったこと。
 (生まれたときから基地がある。沖縄から米軍基地が無くなることをイメージできない彼ら、彼女らの極めてニヒリスティックな絶望感はあまりにも根深い。それに対する現状認識と具体的対応策が革新側に欠けていた。むろんそれはほんの1、2ヶ月で対応できるものではないが)
・「基地がなくなると経済が破綻する」=「基地があれば経済は安定する」論に、メディアも含め沖縄全体が依然とり憑かれ続けていること。
・(これも仲井真側にもいえることだが)選挙カー、(違法)選挙ポスターの乱立など、従来の選挙運動への忌避感を持つ有権者が多い。彼ら、彼女らは選挙運動自体に不信感を持っている。それもあって3人に1人が棄権するという数字となって現れた。結果、組織票では分がある仲井真側に有利に動いた。

 1つだけ確実にいえることは、沖縄県民が自公推薦の仲井真氏を選んだという冷徹な事実だ。これからの沖縄は基地問題にしても経済問題にしても財政問題にしても、この選択の結果が現実化することになる。しつこいようだがそれを選んだのは日本政府ではなく沖縄県民だ。

(西脇尚人)

     ◇

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