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基地問題の陰に子どもの貧困

深刻な沖縄の子どもの貧困について話し合うシンポジウム『ほっておけない!沖縄の「子どもの貧困」とは』が9日那覇市職員厚生ホールで行われ、約100人の参加者が深刻な現状を共有した。

山内優子沖縄大学非常勤講師は基調講演の中で、沖縄の子どもの貧困の歴史的経緯を概説した。子どもの貧困は個人の問題あるいは親の問題だと思ってきたが、それは違うということが分かったという。

山内優子
山内優子沖縄大学非常勤講師

空前の戦禍を負った沖縄戦で全てが焦土と化した後、沖縄の人々は自分たちですべてやらねばならなかった。校舎復興も学校とは名ばかり、馬小屋にも劣るもの。本土に6年遅れ昭和28年に琉球政府の元で児童福祉法が制定されたが、子どもによる窃盗、強盗、忍び込み(米軍基地に侵入し「戦果」を盗ってくること)などの非行が多かった。昭和30年~40年代は「貧困家庭児」「性的問題児」(多くが米兵相手の売春)が多いのが特徴。これらゼロからのスタートと、祖国復帰までの27年間の空白による法制度の不備という構造的要因の2つが挙げられる。

さらに山内さんは、認可外保育所の多さなどの現状を「行政の貧困」と批判した。県の行政は基地問題に熱心なあまり子どもの問題をなおざりにしてきた。基地問題の陰で子どもの貧困はずっとあり続けたのだ。

この問題を解決するために、山内さんも共同代表を務める「沖縄子どもの貧困解消ネットワーク」が結成され、10月には「沖縄子ども振興計画(仮称)」策定に向けて、岡崎トミ子少子化担当大臣へ要請した。同計画の内容はおよそ以下の通り。

(1) 社会的養護の充実(SOS沖縄子ども村、情緒障害児短期治療施設の建設等)
(2) 母子生活支援施設の建設(総ての市)、ひとり親家庭への生活支援等
(3) 夜間保育施設の充実(24時間保育)と夜間子どもサポート制度の創設
(4) 学童保育の充実、児童館、大型児童館の設置・拡充
(5) ファミリーサポート制度の充実
(6) 特別支援教育の支援等

沖縄県学童保育連絡協議会の知花聡会長は、沖縄県の学童保育の現状として、その運営が全国に比べて圧倒的に公立より民間が多い点を指摘、それにより保育料も全国に比べて高い点などのデータを挙げ、全国一の低所得、離婚率の高さがある中で、経済的な理由で学童保育を利用できない家庭が多いことを指摘した。なぜこのようなことが起こるかというと、1960年代、本土では高度経済成長を迎え「カギッ子」という言葉が流行したように学童保育が制度化されたのに対し、沖縄は米軍統治下だったためそれらの制度を受けられず、大幅に格差が生まれたからだという。知花さんは「もはや市町村レベルでは解決できない。国の振興レベルで取り組むべきだ」と訴えた。

しんぐるまざあずふぉーらむの秋吉晴子代表は、同ふぉーらむ関西理事による実証研究のアンケート調査を元に、ひとり親家庭における子どもの発達の問題点を紹介した。それによると、母親家庭ではこづかいを貰っていない子どもが多く、大学進学率も低い。アルバイトに時間を割き、学習する時間がない。それとは別に沖縄県の特徴として、児童扶養手当の受給率が本土に比べ2倍、月収10万未満の母子家庭が40%もいることを挙げた。

沖縄なかまユニオンの比嘉勝子代表は、深夜パートの仕事で身体を壊した母親の代わりに世帯主にならざるを得なかった自身の過去を振り返った。高校・大学時に受給した奨学金の返済に苦労。返還期限の猶予ができることを後に知り、自分と似た境遇の人たちの手助けになれたらという思いから沖縄なかまユニオンを作った。ホットラインの設置などでこれまでに150件以上の相談が寄せられる。家庭内暴力を受け県外へ移っている間に延滞金が100万を越え返済に困っているなど深刻な事態が多いことを知り、「本人だけの問題ではない」と認識した。奨学金滞納者をブラックリストへ登録する制度も無視できない。首都圏、大阪のなかまユニオンメンバーと共に文化省へ要請に行くが、その対応に「実感が伝わっていない、温度差を感じた」という。

パネリスト
各パネリスト


行政として基地問題に翻弄され続けたことにより省みなかったということは、言葉を換えればこれも基地問題といえる。基地のない他府県であればそれに充てる時間を費やせるのだから。これが一点。さらに全国共通の要因として、国の新自由主義(構造改革)による弱者切捨ての結果という近年の傾向もある。両要因を見極めながら、まずは「沖縄子ども振興計画」の策定を求めたい。さらに、市民レベルでは各登壇者のような取り組みを至るところで拡げていくことだ。この視点を来る県知事選の判断材料にもしたい。

(西脇尚人)
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