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解りやすい指南書~『ビデオ・ジャーナリズム』を読んで

解りやすい指南書~『ビデオ・ジャーナリズム』を読んで 2006/08/29

ニュース専門インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」代表・神保哲生によるビデオ・ジャーナリズムについての極めて理解しやすい指南書。



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著者:神保哲生
出版社:明石書店
定価:2400円+税

ニュース専門インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」代表・神保哲生によるビデオ・ジャーナリズムについての極めて理解しやすい指南書。

 そもそも「ビデオ・ジャーナリズム」という言葉を聞いて、多くの人はどう解釈するだろうか?「報道番組ならテレビで毎日観てる。そのことじゃないの?」「ひょっとしてビデオカメラについてマニアックな批評をすること?」。

 ビデオジャーナリズムはあくまでジャーナリズムの一形態である。だが「単なる映像ジャーナリストではなく、文字も扱う」という点が重要だと神保氏はいう。基本が(文字)記者であり、さらに新しい表現方法としてビデオがあるということ。そしてそれはビデオが「みんなのもの」」になり、ブロードバンド時代を迎え、テレビ局の独占から誰でも発信できる時代に変わった背景がある。神保氏はそのビデオの登場を「グーテンベルグの活版印刷にも匹敵する大きな意味を持っているのではないか」と称揚し、同時にその可能性がまったく認知されていない現状も指摘する。そのあたりが本書執筆の動機なのだろう。

 既存のテレビ制作は多くのスタッフが関与し、ジャーナリズムの基本である現場取材をする記者の最初の意向が、分業制により薄められる。一方、ビデオジャーナリストは取材、撮影、編集、そして時には配信まで一人で行う。効率性ということからも、フットワークの軽さという利点ということからも、後者に分があることも明快に解説され、説得力がある。

 また、特質として「新しい言語としてのビデオ」ということもいっている。従来の映像制作に関する文法や理論というのは、映像の美しさなどの芸術性や技術論偏重であり、それよりはむしろ、「取材して得た情報を、誤解されることなく、いかに端的かつ正確に受け手に届けるかという」「普遍的な課題」のほうが優先されるべきだと述べる。さらにそこでは「映像を撮るというより情報を撮っているという感覚」が求められる。

 そして中盤ではその具体的な文法がイラスト入りでこれまた分かり易くレクチャーされている。「サイズ」「立ち位置」「アングル」という基礎的なことから、本番一発勝負のビデオジャーナリズムでは仮設構築能力が要求されること、そして表現意図を実際に声に出して、小声でつぶやきながら撮影する「念仏トレーニング」、さらには愛用機材の紹介などなど、かなり実用的でもある。

 読み終えてみると、なにやらやたらと楽しげで刺激的な仕事ではないかと思ってしまう。「ビデオニュース・ドットコム」のコンテンツと本書を比べてみるのもおもしろそうだ。そこまでしたら、あとはビデオカメラをもって現場へ行くしかないだろう。

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