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沖縄に「押しつけられた常識を覆す」、那覇市の集会で学者が議論

沖縄に「押しつけられた常識を覆す」、那覇市の集会で学者が議論 2008/05/05

沖縄には米軍基地があることによって形成された「常識」があるという。4月27日に那覇市で行われたシンポジウム「押しつけられた常識を覆す」では、安保、開発、環境を専門とする3人の学者が集まり、この「常識」について議論された。



沖縄には米軍基地があることによって形成された「常識」があるという。地政学的に重要だから撤去不可能である。基地がなくなったら経済的に破綻する。自然だけでは食っていけないなど。だが果たしてこれらは本当に「常識」なのだろうか?

 4月27日(日)那覇市の沖縄県立博物館・美術館講堂で開催されたシンポジウム「押しつけられた常識を覆す」(「いまこそ発想の転換を」実行委員会主催)では、安保、開発、環境を専門とする3人の学者により刺激的な議論が展開された。

 最初に進行役の新崎盛輝沖縄大学名誉教授は趣旨を以下のように語った。

 「沖縄世論の結集の第一歩として幅広い立場から登壇してもらった。幅広いといっても中立的な立場ではなく、私たちははっきりと辺野古の基地はいらないということをきちんと論証していかなければならない。基地が造られることが『常識的に』なりつつあるが、その押しつけられた常識を覆せるような発想の転換の基盤作りを考えています」。

 以下3人の話の中から印象に残った部分を紹介する。

我部政明琉球大学教授
 米軍再編による海兵隊のグアム移転によりハワイ・沖縄と合わせ3箇所に分散することになるが、海兵隊の軍事的性質からいってこれは合理的でない。辺野古の新基地建設は軍事的理由からではなく、政治的理由による。つまり「いったん基地を手放すと、それをとり戻すのは難しいから」だ。それまで高いコストをかけてきた海外の基地を手放した場合、それを再度とり戻すことがどれだけ難しいことか分かっているアメリカは、今ある普天間飛行場を利用しながら、新しい基地を造りたいと思っているに過ぎないのだ。

島袋純琉球大学教授
 1972年沖縄の施政権返還に際し導入された沖縄振興開発体制ならびに振興策の役割は「沖縄の基地問題の非争点化」である。本来日本全体の問題であるはずの米軍基地問題を中央の政治で争点化させない、その公式機関が沖縄開発庁、沖縄総合事務局であり、沖縄の政治的リーダーが基地に関して相談に行ってもまったく取り合ってもらえない。

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左:我部政明琉球大学教授。右:島袋純琉球大学教授。

 それは同時に初代沖縄開発庁長官の山中貞則氏を中心とした「沖縄族」議員との強力な政治ルートを沖縄が得たことも意味する。沖縄振興開発体制とは「日本の保守利益還元政治に沖縄を組み込むための装置」である。

 この構造を変えようと目論んだ革新系太田県政の「国際都市形成構想」はブレーンである吉元副知事の退陣などによって消滅し、次の稲嶺県政では基地を整理縮小ではなく再編強化する振興開発体制へと方向転換された。ここから、いわゆる基地所在市町村への島田懇談会事業、北部振興策事業などの実質全額補助の事業が生まれ、振興策と基地がリンクする構造が強化された。さらに事業の進捗状況に応じて配分が決まり防衛大臣の裁量で制裁も可能な「米軍再編推進法」(2007年)に至る。

 このプロセスによって沖縄の自治、財政規律の崩壊が起こった。住民ニーズのあるなしよりも補助率のよいものを優先、「どこかに大きな資金のプールがあってそこにアクセスできる知事や市町村長」が評価される仕組みが生まれ、合理的な政策が不可能となる。メニューの決まった高率補助事業の「食べ過ぎ」により、社会や経済は投資すればするほど悪化する。つまり「財政移転獲得=経済活性化ではない」のだ。

桜井国俊沖縄大学学長
 1987年国連で「持続可能な開発」ということがいわれた。子や孫の世代まで説明できる、未来を奪わない開発のことをいう。「辺野古の新基地建設を積極的に推進する場合はもちろん、やむを得ないと容認する場合においても、後の世代が健全に生きていく可能性を狭めることがないということをいう説明責任が我々にはある」。

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桜井国俊沖縄大学学長

 地元自治体に落ちる再編交付金、地元土木業界に生じると思われる経済的利益は、一時のものであることを忘れてはいけない。しかし、それは確実に沖縄の素晴らしい自然を壊していく。軍用地代の5倍ある観光収入、その魅力である青い海を壊してどうするのか?辺野古の新基地建設では、沖縄で採れる海砂の12年分が採取されようとしている。

 ここは発想の転換が必要だ。自然破壊の公共事業ではなく、親水型護岸への改修、地元企業を活用した近自然工法の採用などへ変えていく。観光客の増加に合わせて北部へさらなるダムを建設するのではなく(しかもその補助金の多くは本土に還流する)、街の中で雨水貯水プールを地元業者によって造ってもらう。地元が自然と調和しながら潤っていくための新しい仕事の仕方が求められる。

記者の感想
 辺野古新基地建設の真の理由は政治的理由である。だが沖縄はそれを変えさせる政治的自由度が極端に弱い。政治的自由度が弱ければ経済的、社会的豊かさは得られない。いいかえればそれは経済的基盤である観光業を持続可能でない消費型のままにさせ、沖縄固有の自然環境を取り返しがつかないほど破壊する。この最悪の悪循環から脱却するためには、沖縄のひとびと一人一人が、政治的自由度=自治の意識を高めることが必須である。具体的にいえば、まずは辺野古新基地建設を認めないことだ。

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