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ダンプ340万台分の県内海砂で埋立を計画 普天間代替・辺野古アセス

ダンプ340万台分の県内海砂で埋立を計画 普天間代替・辺野古アセス 2008/01/14

米軍普天間飛行場代替施設建設(名護市辺野古沖に予定されている新基地建設)に関する環境影響評価(アセスメント)方法書を審議する平成19年度第13回環境影響評価審査会が11日(金)宜野湾市のぎのわんセミナーハウスで開かれた。



米軍普天間飛行場代替施設建設(名護市辺野古沖に予定されている新基地建設)に関する環境影響評価(アセスメント)方法書を審議する平成19年度第13回環境影響評価審査会が11日(金)宜野湾市のぎのわんセミナーハウスで開かれた。

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左:審査会の様子。右:事業者である沖縄防衛局の職員。

昨年12月21日に事業者の沖縄防衛局に提出された県知事意見は、県条例の対象となる飛行場建設部分についてのものだったが、今回の審議は国のアセス法の対象となる埋立部分についてのもので、1月21日の県知事意見提出が期限となっている。

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「普天間飛行場代替施設」設置予定図。再編実施のための日米のロードマップ(仮訳)(外務省)内、「別添の2006年4月28日付概念図」より

 今回事業者は新たに5項目を追加説明した。1つ目が代替施設本体の工事計画、2つ目が作業ヤード、3つ目が工事用仮設道路、4つ目が埋立土砂、5つ目が美謝川の切替。

代替施設本体については護岸方法について3つの案を提示、2014年まで5年の工期を最短のものとした。作業ヤードは護岸用ブロック等を製作・仮置きするために必要であるとした上で、辺野古漁港の辺野古地先水面、大浦湾西海岸海域に約5ha、そして大浦湾海上に海上ヤードを検討している。工事用仮設道路は作業ヤードで製作したブロック等を代替施設本体へ運搬するためのもので、海岸線に沿って設定されている。

 埋立土砂は辺野古ダム周辺から概ね200万m3を採取、それ以外に沖縄島海岸の海砂から概ね1,700万m3を調達する(業者から購入)ことを検討している。キャンプ・シュワブ内を流れる美謝川の河口部は代替施設の建設により埋め立てられる。そのため水路の切替えをすると説明。

 まず確認しておくべきことは、アセス審議会は事業者から出された方法書について、環境影響を審議する場である。この日に出されたこれらの項目は方法書に記載されていない。それが追加説明として今出されている。審査会が県知事に答申し知事意見が提出される期限が1月21日。審査会は10日あまりの間にこれらの多大な項目について環境影響評価を強いられる!

 審査会のある委員からは、各項目の具体的な審議をする前にいうべきこととして、「ギリギリになってどっと資料を出してきて、上滑りな手続きだけのスケジュールに見える。事業者はアセス審査会に何を求めているのか?」と事業者の基本姿勢を糾した。

 同委員はさらに続けた。「新聞報道を読むと、中央側の見解として見切り発車的に準備書の段階まで恐ろしいスピードで進むことが既成事実のように書かれている。見直しがある場合、調査の前に審査会が意見を言えてそれが事業の中で生きる、それまでは調査をストップしてくれるものだと捉えているが(注1)、そのように審査会が意見をいえる機会を勘案してくれていないのでは?」

 今回の項目の中でも特に驚愕すべき情報が、埋立土砂を沖縄島海岸の海砂から概ね1,700万m3(ダンプカー約340万台分!)を調達するというもの。委員からも「新たな環境破壊が予想される。たったこれだけの資料で審査するわけにはいかない」等厳しい意見が続出した。

 これに対して沖縄防衛局の小柳真樹調達部長は「具体的な調達地についてはまだ調整ができていない」と答えにならない答え。委員からそれに対する反論として「今の答えは安定的に土砂を購入できるかどうかという意見だろう。この審査会は1,700万m3の海砂を採取することで起こる環境への影響を審査する場である」と言い切った。

 同部長は「適法に採取されて販売される土砂を業者から購入すると考えている。環境への影響があるかどうかということについては、海砂の許認可等があり、しかるべき許認可を受けた業者から購入する」と説明。

 ここで「主権者としてどうしても発言したくなりました!」と傍聴席から立ち上がったのが、真喜志好一さん(沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団運営委員)。「1,700万m3を海から採る場合、いったいどれくらいの海岸線が無くなるか? 海外線から沖合いに170m、砂の高さが1m無くなるとしたら、延長100kmになります。沖縄周辺の砂がある海岸の全部が消えてしまう!

 その他にも、土取場から70ha採取するという。10ha以上は県条例でアセスの対象になっている。美謝川の切替えについても土地改変面積15ha以上は県条例でこれも対象です(注2)。今の海砂採取もそう。これらが次から次へと継ぎ足されてくる。これを禁じるためにアセス法28条が作られています。逐条解説(注3)の28条の項によると、『環境の保全上の問題の少ない事業案を提示し、後から環境の保全上の問題の大きい事業案に変更することを認めることは、制度の意義を著しく損なうことになる。したがって、このような場合に、手続きの再実施を義務づけることが必要となる』と書かれています」

 行政学が専門のある学者がかつてこういっていた。「役人というのは、スケジュール通りにいかに仕事をするか、それができた者が評価されるシステムになっている。その際仕事の中身は二の次でよい」。事業者である沖縄防衛局の姿勢は正にその通りだった。

 事業者側の回答をもっと多く記事に反映させたいのだがそれが難しい。なぜなら彼らの答えは答えになっていないから。試しに実際の審査会でのやり取りを逐一活字化し再現してみれば分かるはず。それは基本的な人間のコミュニケーションにさえなっていない奇妙な日本語となっているだろう。そうやって審査会の時間が終了し、「審議を尽くした」ことになる。手続きが全ての彼らからすればこれで仕事をしたことになるのかもしれない。

 しかし国のこんなデタラメな仕事を市民として見逃すわけにはいかない。「アセス法には罰則規制がないので、我々は裁判さえ起こせない。それができるのはこのアセス審査会だけなんですよ。審査会には厳正な審査をしていただきたい」という真喜志さんの訴えは、この日傍聴席を埋めた市民全員の強い思いであろう。

 アセス審査会次回は16日の予定。ここで最終の答申が検討される予定。


注1:
 12月21日に出された知事意見では「なお、見直しに当たっては、下記の意見を踏まえて方法書の内容に検討を加え、環境影響評価の項目及び手法を選定し、調査を行う前に、公表等の措置を執る必要がある。」と書かれている。

普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について(PDF文書、沖縄県)

注2:
 土石又は砂利の採取面積10ha以上、放水路土地改変面積15ha以上

沖縄県環境影響評価条例の対象事業一覧表(PDF文書、沖縄県)

注3:
 「環境影響評価法・逐条解説」。環境庁関係部局が監修し著述した。

◇ ◇ ◇

関連リンク:
沖縄防衛局ホームページ

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