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アセス手続きをどう闘うか 普天間代替・辺野古アセス

アセス手続きをどう闘うか 普天間代替・辺野古アセス 2008/01/08

辺野古沖の新基地建設に関する環境アセスに対する知事の意見書に対して沖縄大学の桜井学長は講演の中で知事は県内移設を容認し、落とし所として沖合い移動へ誘導しようとしていると指摘した。



沖縄県の仲井真弘多・知事は昨年12月21日、米軍普天間飛行場代替施設建設(名護市辺野古沖に予定されている新基地建設)に関する環境影響評価(アセスメント)に対する知事意見を事業者の沖縄防衛局に提出した。「方法書は審議に値せずやり直すべき」としたアセス審査会の厳しい見解からトーンダウンしたその内容は、工期通りに作業を進めたい事業者の恣意的な判断を許す隙を与える政治的思惑を想像させる。

 これに危機感を持った市民団体「平和市民連絡会」主催の環境アセスについての学習会が6日(日)那覇市の教育福祉会館で行われた。新年早々、会場には議員、弁護士その他多くの市民が駆けつけ、この問題への関心の高さを窺わせた。この中で環境アセスの専門家である沖縄大学学長 桜井国俊さんが、「普天間飛行場代替施設の建設阻止に向けて~アセス手続きをどう闘うか~」と題した講演を行った。以下その内容を項目に分けてお伝えする。

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アセス手続きの問題点を分かりやすく伝える桜井国俊沖縄大学学長

◇ ◇ ◇

●2つのアセス
 今回の事業で埋立部分についてはアセス法(国のアセス)が適用される。1600mの滑走路については県条例にひっかかるため、県条例(県のアセス)を適用する必要がある。県知事意見の提出は県条例では2ヶ月以内と定められているため、スケジュールを遅らせないように滑走路部分については12月21日に提出した。国のアセスが適用される埋立部分については1月21日が提出締め切りとなっている。審査会は埋立部分についての審議をこれまでに終わらせる。知事意見も2段階あるということ。最初にこのことを押さえておきたい。

●知事意見の何が問題か
 12月21日の埋立部分についての知事意見により、知事の見解が見えた。県内移設を容認し、落とし所として沖合い移動へ誘導しようとしている。基地建設=環境破壊はすべきでないという立場からすれば、沖合い移動=県民の意見を聞いたというアリバイ作りは許されるものではない。(記者注:県知事、名護市長らが固執している沖合移動案を県民、名護市民らの多くが望んでいるかはまったく疑問である)

 知事意見で「当該事業に係る方法書手続きは、事業内容がある程度決定した上で、再度実施するべきものと思料する」旨の答申がなされており、事業者においては、このことを真摯に受け止める必要がある(注1)となっているが、間接話法により知事としての意見を述べていない。審査会の答申をトーンダウンさせている。

 結論が玉虫色で明確でなく、防衛局に食い逃げを許すことになる。知事意見の結論部分前段「~当該事業に係る計画の熟度が上り事業の内容が具体化することに応じて、~適宜見直す必要がある」(注2)は、実は限りなく準備書作成に入ってよいといっている。後段で「調査を行う前に、公表等の措置を執る必要がある」と方法書の出し直しを求めているかのように見えるが、前段があることによって防衛局に食い逃げを許すことになる。

●では何をすべきか
 1つ目は1月21日期限の国のアセスに対する知事意見に向けての答申作成において、アセス法28条に基づき、方法書に戻っての手続きを求めるよう、審査会に働きかけること。2つ目は違法な環境現況調査をまず中止するようにとの意見を答申に盛り込んでもらうこと。そして環境現況調査を準備書作成に利用させないこと。そのために県知事が権限を行使して環境現況調査を許可しないことを支援すること。

●大幅な修正
 昨年12月12日に首相官邸で行われた政府と地元が話し合う「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」の中で出された設計計画図(図a参照)には、弾薬搭載エリア、3つの洗機場などの新たな計画が追加されていた。これは8月14日に那覇防衛施設局(当時)が示した計画図には無かった。この事業内容の変更をどう捉えるかがポイント。これは最初の方法書とは質的に異なる環境影響が生ずるのだから、「方法書に戻ってやり直せ」というアセス法第28条の事業内容の大幅な質的修正に該当するのだということを言い切る。そしてそれを審査会の答申に盛り込んでもらうことが必要。

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図a 飛行場施設の配置計画

 沖縄県環境影響評価審査会のメンバーはとてもがんばっているが、環境アセスの専門家は1人もいない。このことがウイークポイントとなり、アセス法の解釈を県の事務局に握られている。そこを我々がサポートする必要がある。

●環境現況調査はなぜ違法か
 方法書を作成するために事業者に許された現地調査の範囲について環境庁(省)は、「既存文献調査を中心に専門家等へのヒアリング、現地概略踏査を加えて、得られた情報を整理することになる」としている。沖縄防衛局が2007年5月18日から強行している環境現況調査は「現地概略踏査」といえるか?

 環境現況調査では、辺野古沿岸海域に「海生哺乳類の鳴き声の記録の調査」のためのパッシブソナー(音響探知機)30ヶ所、「海中生物の藻場の利用状況調査」のための水中ビデオカメラ14ヶ所、サンゴ調査のための着床具39ヶ所、海象調査機器29ヶ所、合計112ヶ所、それに加えて夜間に点滅するライトブイ112ヶ所を設置した。これら機器の設置は、「アセス法違反の事前調査は中止せよ」と抗議し非暴力で抵抗する市民を自衛艦(掃海母艦ぶんご)まで投入し威圧して行われた(注3)。

 事業がもたらす環境影響は、事前の立ち入り調査等に伴う環境の撹乱による場合も含む。方法書の洗礼をされずに実施されている総額20億円を超える調査は断じて「現地概略踏査」とはいえない。さらに沖縄防衛局は、環境現況調査の調査結果を準備書作成に使用して、2014年建設終了までのスケジュールを消化しようと画策している点も見逃せない。

◇ ◇ ◇

 講演後の質疑応答では、「環境現況調査が違法であれば、法的な対抗手段に訴えることはできないのか?」「訴訟を起こす場合、誰か具体的な被害者が申し出る必要がある」「知事意見の後、我々はやり直しの要請はしたが知事に抗議すべきだったのではと反省している」などのやり取りがなされた。

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熱心に聞き入るフロアーの参加者

 1月21日の知事意見提出まで、アセス審査会は3~4回行われる見通し。前回の傍聴に参加して改めて分かったことは、傍聴席は傍観席ではない、ということ。傍聴席を多くの市民が埋めること、審査会委員に応援の声を挙げること、専門家のプライドをかけた勇気ある意見に賞賛の声を挙げることなどによって、審査会は市民参加の活きた劇場になる。審査会の傍聴はそれを見聞できるだけでも一見の価値がある。

(注1)
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書に対する知事意見
(注2)
当該事業に係る環境影響評価については、当該事業に係る計画の熟度が上り事業の内容が具体化することに応じて、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法を適宜見直す必要がある。なお、見直しに当たっては、下記の意見を踏まえて方法書の内容に検討を加え、環境影響評価の項目及び手法を選定し、調査を行う前に、公表等の措置を執る必要がある。
(注3)
杜撰な調査実態及び自衛隊が動員された5月18日の様子については以下の記事を参照されたい。
ジュゴンが暮らす辺野古周辺海域にクギ! ずさんな防衛省の調査~やんばる素描(7)
辺野古の海は“波 高し”

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