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追加説明は「審議に値せず」普天間代替・辺野古アセス

追加説明は「審議に値せず」普天間代替・辺野古アセス 2007/12/15

もし、あなたがアセス審査会を一度でも傍聴したならば、この国の防衛大臣の言葉を今後一切信用しなくなるだろう。いかにデタラメな国の事業計画が、少人数の空間で進められようとしているか。



 米軍普天間飛行場代替施設(名護市辺野古沖に予定されている新基地建設)に関する環境影響評価(アセスメント)を審議する第10回沖縄県環境影響評価審査会が、10日宜野湾市・ぎのわんセミナーハウスで行われた。

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審査会委員

 前回、方法書の不備を指摘された事業者の沖縄防衛局は文書で追加説明を行った。これに対し、県環境影響評価審査会(会長・津嘉山正光琉球大学名誉教授)は「方法書としては材料不足で審議に値しない」などと厳しい意見を述べた。

 いかに材料不足か、事業者が配布した(当初傍聴席には用意されていなかったが傍聴席から要望され配布された)文書から紹介したい。長くてくどい引用になるが、いかにデタラメな国の事業計画が少人数の空間で進められようとしているかを国民に伝えるべきだと思うので、しばしお付き合いいただきたい。

 「飛行経路については、昨年4月7日の名護市及び宜野座村との合意書で取り決められたことが基本としており、具体的にいかなる訓練の形態があり得るかについては、現時点において米側と議論しているわけではない。」

 「装弾搭載エリア及び燃料用桟橋の位置は、~現在もその詳細について日米間で協議中であることから、その規模も含めて確定しておらず、現時点において具体的に示すことは困難である。」

 「航空機のエンジンストについては、~具体的な実施場所等については、現在も米側と協議中であり、現時点において具体的に示すことは困難である。」

 「航空機の燃料補給のための桟橋は建設する予定であるが、現在その詳細について日米間で協議中であり、その規模等も含め確定しておらず、現時点において具体的に示すことは困難である。」

 「滑走路及び誘導路の構造、制限表面の範囲等具体的な建設計画については、現在その詳細について日米間で協議中であり、これらに係る具体的な検討を行い、準備書の段階までに明らかにしていくこととしていることから、現時点においてお示しすることは困難である。」

 「埋立地の基盤面積、護岸の標準断面図、資機材の種類及び搬入経路等の具体的な建設計画については、現在その詳細について日米間で協議中であり、これらに係る具体的な検討を行い、準備書の段階までに明らかにしていくこととしていることから、現時点においてお示しすることは困難であるが……」

 これ以外にも例えば埋立土砂発生区域の切盛についても、美謝川の切替えについても現時点において示すことは困難であると同じ回答の繰り返し。

追加説明の後、審査会委員と事業者の質疑応答がなされた。審査会の一人は「飛行場の移設計画に伴う諸々の作業が環境に影響を与えることは誰しも思うことだが、どのような方法で、どのような地点で、どういう調査を行うという全容が分からなければ判断が難しい。状況の詳細な把握をする努力をしているのかどうかをお尋ねしたい」と疑義を呈した。

 これに対し事業者の一人は「この審査会なり審査会の答申を踏まえた知事意見もありましたらそれも踏まえまして、今後建設的に???(だんだん小声になって最後は聞き取れなかったが知事意見があれば検討するというような答えらしい)」と苦しい回答。

 「大浦湾奥の埋立は作業ヤードという名前ですが最終的には半永久的に使われるわけですよね。この部分は埋立度量の中に入っているんですか?」別の委員が質問する。「作業ヤードの埋立については埋立度量として含まれておりません。その後どういうふうに使うかということは決まっておりませんので……」と事業者が答える。傍聴席からどよめき。

 飛行ルートの説明は大きなポイントだ。周辺地域の住宅上空を飛ばないためのⅤ字型滑走路であり、それが昨年4月7日の国と地元名護市及び宜野座村との合意内容だったからだ。文書によれば、「ヘリの有視界飛行は、基本的にメインの滑走路(北側)を風向きに応じて使用し、サブの滑走路(南側)を使用した離着陸(北東よりの風の場合は離陸専用、南西よりの風の場合は着陸専用)も行われる。この場合、海上に設置された台形型のコースの範囲内を飛行し、周辺地域の上空を回避する」とある。

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事業者が用意した資料のモノクロコピー。飛行経路が描かれている。

 その方向とは違う風が吹いた場合はどうするのか? との審査会からの質問に対して、事業者は「風に向かって離着陸するというのを避けて飛ぶ形になるので、横風の場合は飛ばないということではなくて……」と判然としない答え。

 「飛行経路が風向きによって違うと解釈してよろしいですか? 想定外の風が吹いた時に内陸側が飛行経路になるということもありえると?」と審査委員がさらに確認。「先生のご指摘は例外的なケースを仰っているのでしょうか?」と事業者。傍聴席から「例外的じゃないですよ!」の声。

 「緊急時には飛行ルートが場合によっては内陸側になることもあり得えるという説明が今されましたね」と審査委員が念を押したように、沖縄防衛局は住宅地上空を飛行することを否定しなかった。つまり地元との合意内容を破っていることを認めたのだ。

 他の審査会の委員からも苦言が続出した。「事業計画といいながら想定がたくさん入っている。これが事業計画といえるレベルのものなのか?」。「想定もいろんな案もあっていいが、それを小出しにしないで全部出してしまってはどうですか?」。「『準備書までに』というのでは遅い。アセスが終わってから実際はこうだったというのでは問題が起こりますよ」などなど。

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空疎な説明に終始した沖縄防衛局職員

 津嘉山会長は、答申案を検討する段階で再審査の機会を要求することも仄めかした。同方法書は、知事意見の締め切りが21日と迫り、審査会は来週はじめまでに答申をまとめる予定。

さて12日(水)には、政府と地元が話し合う「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」の第5回会合が首相官邸で開かれた。この中で仲井真沖縄県知事は審査会の意見に合わせ方法書の不備を指摘したが、石破防衛相は「必要事項を記載しており、方法書としての要件は整っていると理解している」と述べたという(沖縄タイムス12月13日付)。

 もしあなたがアセス審査会を一度でも傍聴したならば、この国の防衛大臣の言葉を今後一切信用しなくなるだろう。環境アセス審査会とは、環境への影響について調査方法が適正か否かを専門家が客観的・科学的な立場から審査する場であり、各委員は選ばれ依頼され責任を持ってテーブルについた方々だ。その時間と場所のために割いた関係者の努力をまるでまったく無かったかのように一言で片付けてしまうのだから。

 事業者である沖縄防衛局の真意を想像してみる。役人というのは、予定を組み、いかにその予定通りに業務を遂行できるかが仕事のようなものだ。それが出来れば評価され、出来なければダメ扱いを受ける。その際その業務の中身は問われない。

 今回の事業計画も建設終了が2014年と日米政府により決められている。限られたスケジュールに時間の許す範囲で強引に詰め込んだ内容だ。当然外部(審査会)からは批判される。しかしそれさえも環境アセスメントのプロセスの中で知事意見に盛り込み、「出来る限りの努力、配慮はする」と回答しさえすれば、事業を粛々と進めることができる。そんな底意が見え隠れする。

 仲井真沖縄県知事についても方法書の不備を指摘したが移設計画自体には賛成している。前知事同様、県知事のどちらつかずの態度は特に県外から見て理解に苦しむことだろう。方法書の不備を指摘したのは、70%以上が辺野古への基地建設を反対している県民へのポーズ=県知事としての自己保身であり、移設計画に賛成しているのは、「経済」専門で当選した保守政治家の「現実的選択」=本音であろう。

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