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抵抗権で保障される座り込み 沖縄ヘリパッド

抵抗権で保障される座り込み 沖縄ヘリパッド 2007/09/17

(前回記事:「アセスにあらず」と専門家明言 沖縄ヘリパッド

米軍ヘリパッド移設事業が着手された東村高江区の現場には、9月に入ってから14日現在まで事業主である沖縄防衛局が姿を現していない。防衛省は9月1日付で大幅な組織再編を実施、防衛施設局の廃止・統合により、地方自治体に関係する業務は新設された地方協力局が担当するようになり、那覇防衛施設局から沖縄防衛局へ改編された。もしやその影響があるのだろうか?

 沖縄は9月に入り本土に比べれば暑い日々が続くが、それでも降雨と共に夜は多少涼しくなった。自然豊かな高江で座り込みを続けているとそんな季節の移り変わりを中南部にいるときよりはっきりと実感できる。14日台風11号が襲ったように、沖縄の9月は台風の季節でもある。座り込み用のテントは一時撤収され、常駐メンバーはそれでも車の中で待機する。

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変わり易いやんばるの天気。突然の雨にテント内は一時満員電車状態。9月12日Nー4地区。

 12日、テントの中で「ヘリパッドいらない住民の会」の一人がつぶやいた。「座り込みがここまで続くとは、(座り込みに参加していない)他の高江区の住民も想像していなかっただろう」。座り込みへの参加者は東村内でたったの6世帯、他は県内外からの「支援者」という構成を知ればそれも頷ける。それでも継続する座り込みとはいったい何だろうか?

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頼もしい婦人団体の参加にテント内は俄然賑やかに。9月12日N-1地区。

 座り込みは「抵抗権」という権利によって後押しされている。憲法学者宮沢俊義によると、抵抗権とは「人権を侵害する公権力に対して(実定法の根拠を持たずに)抵抗する権利のこと」で「合法的に成立している法律上の義務を、それ以外の何らかの義務(良心、道徳)を根拠として否認することに関わっている」。いいかえれば「法律の義務と良心の義務とが衝突した場合に、後者により大きな価値をみとめ、後者をよりどころとして、前者に服従することを拒否する権利である」。だからそれは実定法にではなく自然法に根拠をもつものである(注1)。

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作業の強行に対しスクラムを組んで座り込む。8月23日N-1地区。

 高江のヘリパッド問題に話を戻すと、「法律の義務」として業務を遂行しようというのが沖縄防衛局側の態度であろう。しかしこれについては前回記事でお伝えしたように、環境アセスメント自体が論理的に破綻していると専門家から指摘されている。それでも事業を進めることは、国家が自ら定めた法律を破り、「俺たちは正しい。俺たちが法律だ。国民はそれに従え」といっているに等しい。

 一方、高江区住民にしてみれば、新たなヘリパッド6個が集落を取り囲み、「なぜ、自分たちだけがさらなる被害を被るのか、納得のいく説明がなされていない」と、「良心の義務」から抗議している。それは座り込みに参加していない住民も含めて高江区の総意である。基地のない平和を求めて、あるいは県民の水がめ=生存権が脅かされることに対する異議申し立てとして、県内外から発せられる移設反対の意思表示もまた「良心の義務」からといえよう。

 であれば、無効な法律の義務を糾し、良心の義務を本来の法律の義務に「再編」する、そんな崇高な作業を少人数の座り込み参加者は実行していることになる。しかもビデオ映像で紹介されているようにそれを楽しみながら行っている。「上からの命令だからやらなければならない」と押し問答の中でセリフが発せられたのは、那覇防衛施設局職員(当時)の口からだった。彼も意識の底では事業の無効性に薄々感づいているのかもしれない。


(注1)
RAM Ⅲ DEMO SITE 宮沢俊義 『憲法II』第三章 第三節「抵抗権」

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