「Color the World」では、一つの旗の上に世界196カ国・地域の旗が地政学通りに配置され、地球上の国が大家族となっていることがみてとれる。沖縄タイムスの記事によると、「旗は国を一つにするが、ほかの国との距離を広げる側面もある」と照屋は述べている。「For the World to Come」同様、照屋がモチーフから両義性を感知している点に注意したい。
“For the World to Come”と題された照屋の作品は、2004年に起きた沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件に関わる。このとき米軍は事故現場、つまり沖国大を完全にシャットアウトし、大学関係者はもとより、宜野湾市長、県知事、県警、報道陣、そして日本政府さえも蚊帳の外に置かれた。沖縄の人々にとって、沖縄が依然として米軍統治下にあることを棍棒で後頭部を叩きつけられるように気づかされる瞬間であった。 For the World to Come
「基地のない沖縄をイメージするWSのためのメモ6」では、ビートルズの“All You Need Is Love”は「自分たちでできると思っていることは、あらかじめ決められたことしかできない」とギリギリのかなりヤバイ状況をひたすら説いた絶望に近いラブソングだとする岡崎乾二郎の解釈を紹介した。「基地のない沖縄をイメージするWSのためのメモ7」では、曲の終わりにリフレインでフェイドしていくところに重ねられるポール・マッカートニーのボーカルShe loves you, yeah, yeah, yeahをRCサクセションの「君はそのうち死ぬだろう」ライブバージョンが模倣していることを指摘した。そしてこの曲はノイローゼ気味で今にも死にそうな友人を励まそうという動機から忌野清志郎が作ったというエピソードをつけ加えた。
「非現実的」ということでいえば、Nowhere Man ほど「非現実的」な男はいない。なんといっても、彼は「リアルにどこにもいない男」であり、「どこにもありえない計画を誰のためでもなくたてている」ほどなのだから。
All You Need Is Love ではThere's nothing you can do that can't be don「自分たちでできると思っていることは、あらかじめ決められたことしかできない」とギリギリのかなりヤバイ状況をひたすら説いている。そして最後にかろうじて、残されたのは愛しかない=愛はその程度であるという絶望に近いラブソングなのだ。
それにしても、最後のAll You Need Is Loveのリフレインでフェイドしていくところに、She loves you, yeah, yeah, yeahとポールが能天気に歌い出す、この唐突な挿入の仕方はなんだろう?She loves youは、嫌われてしまったと思い込んでいたが、彼女は君のことを好きなのだと間接的に告げられる曲である。